気まぐれで活動報告をします。
真の工芸人?工芸部の主な活動
工芸部の活動も浦高の工芸の伝統に倣い、木工を中心にハンドクラフトで頑張っています。
日常の活動は部員個人個人の作品制作ですが、季節によっては文化祭で出品する作品なども制作します。自分の作品ですから自分のペースで、自分の好きなように作品を作ります。部室という共同アトリエで、部員が勝手に、されど和気藹々と自分の仕事をしています。陶芸の設備もあるので、その気になれば焼き物を作ることも出来ます。今年度はコロナのため実施できませんでしたが、夏休みには益子陶芸倶楽部というところで2泊3日の合宿も行なっています。浦高工芸科を盛り上げるため日夜勉強時間と木材を削って活動しています。このサイトの作成・管理も担当しました。褒めてほしいな〜
*ほぼ個人ブログ*
令和3年度埼玉県高校美術展に出品した前部長の作品。いったいどうやって作ったのでしょうか。
1.思考
今回の作品のコンセプトは「日本男児」。いろんなとこから怒られそう?難しい世の中だな〜。
何を作るか考え始めたのは年明けぐらい。そこから棚を作ろうと思い、スケッチを進めていくと段々と複雑化。まぁ、できるでしょう。大体の雰囲気が決まってからは材の決定。
最初は日本っぽい木!桜!!って思ったけど筆箱作ったとき、あと去年の椅子でちょっと使ってあんま使いやすくないの知ってたからやめました。あと、綺麗だけど油塗るとあんま目立たない。
てわけで日本!じゃあ欅!!そんな大々的に使ったことはないけどいい木だし綺麗だし目立つし、文句ない。埼玉県民だし。よし、欅でいこう!何度も言うが坂道はそんな好きじゃない。ちなみに現在七月。目下の目標はソフトボール大会。
2.材を集めよう!
勢いで欅を使うことに決めたはいいものの、欅はめちゃくちゃ高い。どうしよう、、、と思っていたら、後輩がネット注文を提案してくれた。ありがてえ。ということで山政銘木さんに欅の板がないか相談。すると、いい感じの板があるとのこと。写真を送っていただくと、なんと側板、違い棚のところが取れればいいや、と思っていたけどうまく切り出せれば共木で引き違い戸、引き出しまでいけるかもしれない。ありがとうございます!思い立ったが吉日、即購入。さようなら僕のお年玉と夏休み。
3.つくるぞー
ここからは肉体労働。およそ三ヶ月のたのしいたのしい工芸の日々。書きたいことはいっぱいあるけど多くは思い出したくないことだからわりと割愛しますがお許しください(ブログとは)
まずは製材。次に製材。そして製材。なんと製材が終わったのは九月最終週。え、のこり二ヶ月半?終わる??
4.つくるz、あれ、、デジャビュ、?
製材を終え、組み始める。まずは枠。
文字にすると一瞬だな(泣)とはいえここは余裕。蟻組うまくなったな〜。
続いて2、3段目。
一瞬。通しほぞだから抜くだけだし。ここも難なく通過。
ここから本番。まずは最初の難関引き出し。後ろはどうせ見えないし普通の蟻組なので割愛。でも前は包み蟻組。実は初めて。わりと緊張。
でもできた。さすが。
続いて框組で底を作る。まぁ、余裕。
隙間なんてありませんヨ。
なお、ここで引き出し三段の側板(胡桃、欅、タモ)を見せようと板ではなく柱で構造を作ったのがのちの禍根となるのであった、、、。
5.違い棚
ここが全て。めちゃくちゃきつい。違い棚は上から吊る構造だから、抜けないように蟻でほぞを入れてスライドさせる。詳しくは各自調べてください。
しんどすぎて他に書くことはない。吊ってるところは下と木目を合わせたくて頑張った。釣竿の印籠継のような構造。知らない人は釣りキチ三平を読んでください。抜くとこないから本番一発勝負。入らなかったらどうしよう。
6.あれ、わりと終わりそう?
そんなことはない^^
次は引き違い戸。これもわりと余裕。引き出しもそうだけど、当初は鉄刀木(タガヤサン)で取手を作る予定だった。けど、削った方が綺麗演出がめちゃくちゃ強かったので無難に。割とこう判断だった気がする。
この後引き戸の裏側を再び框組で封じる。タモと胡桃、真ん中にちょっと間が空いて光が差し込む。なぜなら長手650mm妻手270mmの板が残ってなかったから。
7.あとちょっと
4で通しほぞだったところに穴を開け、楔を入れる。伏線回収。しかも黒檀と紫檀。かっこいい。一番簡単な作業。何事もなく終了。気づけば完成。これで計51、全ての部品が出来上がった。
おお、余y、、いや、明日搬入じゃん。まだ組んだことないんだけど大丈夫か?
8.運命の一日
まずはやすりがけ。もちろん失敗はない。まぁ、間違えようがないからね。終わり。え、もう○時じゃん。組む。組めない^^;おいおい、大丈夫か?なんてやってる内に調整を繰り返し、気づけば4時間経過。
無事組めました。長かった、、。一発勝負の継もわりとぴったり。もう誰にもバラせない。切断すれば別だけど。
9.完成
油を塗る。楔もいい感じにできたから、ちゃんと調整機能として働いてる。
良かった。
まとめ
疲れました。でもなんとかボンドや金具も使わずやり切れたので良かったです。引き出しの柱の歪みが最後まで響き、目立ったのが受賞なくこの作品が終わってしまった要因だと思います。でも妥協はなくできました。もうやりたくはないですが、楽しい工芸人生活でした。古河マラみたいなものです。後輩たち、頑張ってください。
(文責 74期工芸部部長清水雅文)